漢方は植物や動物や鉱物を加工した生薬と呼ばれる自然そのままのかたちを活用し、それを組み合わせることで効果を発揮する古来から伝わる先人の知恵の結晶です。
野菜も薬ではないけれども、自然そのままのかたちでやんわりとその個々持ち合わせている成分をもって、私たちの健康に重要な役割を果たしています。
今日はクセのある食材として名高い「コリアンダー」について紹介したいと思います。
コリアンダーとは?
セリ科の食材で別名パクチーです。生の葉と種が食用に利用されています。好き嫌いの分かれる食材ですが、慣れると癖になる味ですよね。
漢方でもセリ科はセンキュウ、当帰(トウキ)など婦人科疾患に重要な働きをする生薬があります。
コリアンダーの栄養素(100gあたり)
カリウム 590㎎
カルシウム 84㎎
葉酸 69μg
などが豊富に含まれ、特徴的な香り成分には整腸・健胃・解毒作用があります。
コリアンダーの使い方
超簡単にできるコリアンダー活用法をご紹介します。
- 生葉
・タイのカルパッチョ
タイのお刺身に塩、こしょう、オリーブオイルを適量かける。仕上げにコリアンダーの生葉を載せれば完成。
※事前にお皿にニンニクスライスをこすりつけて香りをつけると良い
・マッサマンカレー風スープ
ナスやトマトを始めとした好きな野菜をいため、コリアンダー(一口大にカットしたもの)も入れる。ココナッツミルクで煮込み、ナンプラーを適量かけたら完成。ココナッツオイルで炒めるとさらに風味が出ます。
- 種
・デトックスウォーター
コップ1杯(約200ml)の水にコリアンダーシードを小さじ1杯(お茶パックに入れてから)を入れて一晩おいておく。次の日にはデトックスウォーターの出来上がり。
※コリアンダーシードだけでなく、フェンネルシード小さじ1杯とクローブ5粒を入れても良いです。その場合は水は約1リットルで作るとちょうどよいです。
その他の豆知識
漢方ではフェンネルはウイキョウと呼ばれ、胃腸薬の代表的存在である安中散(あんちゅうさん)にも含まれます。クローブはチョウジと呼ばれ、ひゃっくりの薬である柿蔕湯(していとう)などに含まれるなど、他の生薬と組み合わせることでさまざまな漢方薬で薬効を発揮しています。