現代はストレス社会と言われていますが、ストレスはもともと物理学分野において外的刺激に対する歪みを表す用語であり、体の反応としては一種のリスク管理ともいえます。
しかし、度を越える肉体的・精神的ストレスは私たちの体に過度な負担を与え、血糖スパイクの原因にもなることをご存じでしたか?
今回は、ストレスと血糖スパイクの関係について紹介します。
血糖スパイクとは?
血糖スパイクとは、通常どんな食事をしたとしても70~140㎎/dlの範囲内で変動するはずの血糖値が、それ以上の振れ幅で急激に変動するものを指しています。
急激な血糖値の上昇は、血管に負担をかけ、長期的には血糖値を下げるホルモンの感受性を下げたり、肥満や糖尿病のリスクを高めると考えられています。また、急激な血糖値の下降は、イライラ・動悸・頭痛・痺れなどの症状の原因となります。
ストレスが引き起こす血糖スパイク
ストレスを受けて、私たちの体のホメオスタシス(恒常性)が乱されたとき、全身の細胞を守るためにHPA軸(視床下部(Hypothalamic)-下垂体(Pituitary)-副腎(Adrenal)軸)が刺激されます。
学校の試験を受ける時に感じるストレスから、お腹が空いたときに感じるストレスに至るまで様々な原因により血中のグルコース(血糖)の需要が高まると、
副腎からコルチゾールというホルモンが分泌され、体のバランスを整え生命を維持を助けます。
慢性的なストレスによる過剰なHPA軸の活性化に伴い副腎が疲弊すると、結果的にコルチゾールの分泌が通常に比べて低下することがあります。
この状態を副腎疲労と呼んでおり、あくまでも副腎疲労は正式な病名ではなく副腎の機能が低下している状態を指しています。
コルチゾールの働きはさまざまありますが、その中の一つが
「血糖値を上昇させる」働きです。
ストレス時には、体からの血糖の需要が増大します。しかし、副腎が疲労しており、コルチゾールが十分にないと、その需要を満たすことができず、低血糖状態に陥ります。

それなら、「副腎疲労」になると「血糖スパイク」は起こりにくくなるんじゃないの?
副腎疲労が血糖スパイクの原因となるその理由は、主に2つの原因が考えられます。
一つは、副腎疲労の状態そのものが血糖値を不安定にさせること。
もう一つは、副腎疲労の状態で嗜好しやすい食事によるものです。
副腎疲労に陥る人は普段から仕事を頑張ってこなしてきた人であり、忙しくしている人であるとも言えます。忙しい生活の中で、簡単に手早くエネルギーを補給できる砂糖を主成分とした加工食品で済ませやすくなります。
また、副腎疲労によってひき起こされる低血糖状態において、速やかに血糖を補給できる甘いもの、つまり砂糖を主成分として加工食品を摂る機会が増えることが考えられます。
副腎疲労で苦しむ人は、血糖スパイクと低血糖の両方の影響で血糖値のジェットコースターに乗ることになり、どんどん悪循環に陥ります。
ただし、副腎疲労には進行度の段階があるため皆が同じ症状が出るわけではなく、血糖値の乱れが出ていなくても副腎疲労が進行していないわけではありません。
副腎、疲れていませんか?
副腎は腎臓の上についている小さな臓器であり、
コルチゾールという血糖値を上げるホルモンだけでなく、交感神経に関わるアドレナリンや、水分代謝に関わるアルドステロン、性ホルモンなども分泌しています。
慢性的なストレスにより副腎が疲れると、コルチゾールの分泌量が低下し、血中のグルコース需要が増加しても、血糖値を上げにくくなり、血糖コントロールが安定しにくくなります。
その結果、甘いものやカフェインを欲するようになり、血糖スパイクを引き起こしやすくなります。
また、慢性的に血糖スパイクが起こっているとそれ自体が体へのストレスとなり、副腎疲労の原因ともなります。
以下の項目で、副腎が疲れていないかチェックしてみましょう。
□寝ても疲れがとれない
□朝起きられない
□休日も疲れて動事けない
□午前はだるいが午後になると元気になってくる
□甘いものやコーヒーを欲する
□ささいなことでキレる
□新しい仕事を覚えにくくなった
□不安感や焦燥感がわく
□よく便秘や下痢をする
□運動するのが億劫
□塩辛いものが無性に欲しくなる
□風邪や怪我が治りにくい
□頭がクラクラすることがある
□ストレスやプレッシャーへの耐性が減った
5つ以上当てはまると副腎が疲れている可能性があり、血糖スパイクが起こりやすい状態になっている可能性があります。
副腎ストレスの原因は外的要因だけでなく、内的要因(慢性炎症、感染、アレルギーなど)の場合もあるので、
詳しく気になる場合は病院で調べてもらう必要があります。
コルチゾールの測定だけなら、コルチゾール検査キットをインターネットで購入し自宅にいながら自分で調べることができます。
血糖スパイクを見つける方法
血糖スパイクを自覚するためには、
「食事2~3時間後の体調」と「自分が食べたものと体調変化との関連に関心をもつ」ことからはじめましょう。
いくつかの兆候に気を付けることでご自身の血糖スパイクを感じとることができます。
- 食事2~3時間後の疲労感
- 頭痛や集中力の低下
- 食事2~3時間後の急激な空腹感や甘いものへの欲求
- イライラや不安感
血糖値が急激に低下したときに、疲労感や眠気など集中力の低下が起こりやすくなります。
また、分泌されるグルカゴンやアドレナリンなど血糖値上昇作用のあるホルモンの影響で、動悸やイライラや不安感を感じることがあります。そして、慢性的にこのような状態になることで、自律神経が乱れる原因になることも考えられます。
副腎をケアする方法
副腎疲労はステージがあります。
第一段階:ストレスによりコルチゾールが過剰に分泌されている状態
第二段階:副腎疲労が進み、コルチゾールが低下してきた状態
第三段階:コルチゾールレベルが相当低下している状態
このうち、血糖値の異常による体調不良が目立ってくるのは第二段階です。
第二段階での食事による対処方法は以下のようなものがあります。
- 朝食を食べる
- 野菜・海藻・きのこを積極的に摂る
- 肉より魚を選ぶ
- 間食でスナック菓子は避ける
起床時が一番低血糖になりやすいので、朝食では血糖値が安定する食物繊維が豊富な未精製の炭水化物(玄米、そば、全粒小麦、オートミールなど)を摂りましょう。果物だけというのは避けてください。
また、食物繊維は腸内細菌を整え、血糖値を安定化させるため野菜やきのこなどがおすすめ。特に、ストレス時の副腎や脳では酸化反応が進んでいるので、抗酸化作用のある色の濃い野菜(ブロッコリー、ほうれん草、パプリカ、トマト、人参、キャベツなど)を積極的に摂りましょう。

副腎疲労の顕著な時期は、「ビタミンC」のサプリを1日2g摂取するのもおすすめ。THORNEのビタミンCはバイオフラボノイドも含まれているので体内利用率が高いといわれています。iHeebで購入できます。
脂質はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率が1:3だと良いとされています。料理にメインで使用する油の中では、サラダ油・紅花油・コーン油などがオメガ6脂肪酸、ココナッツ油がオメガ3脂肪酸に該当しますので、ココナッツ油も取り入れてみるとよいかもしれません。
また、普段お肉や加工食品を食べる機会が多い人は、できるだけ青魚(マグロやメカジキなど大型魚類を除く)を選ぶことや、サラダにかけるドレッシングを手作りし、その際にエゴマ油や亜麻仁油を使用することでオメガ3脂肪酸の摂取量は増やすことができます。
健康的な脂質を取り入れることで、腸内環境を整え、腸内のカビの増殖を抑え、甘いもの欲求を減らすことができると言われています。
おやつを食べていけないわけではありません。砂糖と精製小麦でできたものは避け、腸内環境によい食材や血糖値をあげにくい食材を使ったおやつを食べましょう。
次の食事までにお腹が空いてしまうときには、炊き込みご飯のおにぎり、甘栗、出汁ドリンク、ゆで卵などはどうでしょうか。ミネラルも含み、血糖値を急上昇させないものがおすすめです。
まとめ
ストレスの感じ方は人それぞれです。
ストレスを感じないようにすることも重要ですが、異常事態が起きているという体のサインでもあります。
副腎疲労の兆候があれば、まずはストレス源を見つけ出し、排除すること。
そして、血糖値を急上昇させる食事を避けること、副腎をケアする抗酸化作用の高い食事を取り入れることです。
あと忙しくても、朝食はちゃんと食べましょう。