血糖スパイク

血糖スパイクを放っておくと・・・?

「血糖スパイク」は食後の血糖値が急上昇してしまう状態のことです。

血糖スパイクとは

本来、私たちの血糖値は70〜140mg/dlの間で安定しています。食後に血糖値が上がるのは当然のことで、

通常、どんな食事を摂ったとしても血糖値の上昇は50〜60mg/dlに収まり安定した値の中で推移しています。

しかし、さまざまな条件によって、食後の血糖値が140mg/dlを超えて上昇してしまうことがあります。

これが「血糖スパイク」です。

「血糖スパイク」が発生すると、単に血糖値が上昇して通常通りに戻ってくるだけでなく、血管への急激な糖質の流入に伴う弊害と、急激な血糖値の下降に伴う不調が生じることが問題です。また「血糖スパイク」は糖尿病の前段階の症状だとも言われています。

「血糖スパイク」の存在と解決法を知るべき一番の理由は、
食事や運動習慣など生活を工夫することで、血糖スパイクを防ぐことができるからです。

上記は同じ人で測定した、24時間持続細胞間質中グルコース濃度※です。25日に測定したものは朝食後に濃度が約100から175mg/dlに急上昇していることがわかります。一方、26日にはそこまでの上昇は認められません。

※細胞間質中グルコース濃度とは
血糖値は血液中のグルコース濃度のことを言います。細胞間質中グルコースとは、血液中から細胞の中に以降したグルコースのことを指しており、血液中のグルコース濃度を近似的に表しています。血液中のグルコースは血糖測定器を用いないと測定することができず、出血を伴う作業が必要でしたが、フリースタイルリブレ2を用いることで 1分ごとの間質液中のグルコース濃度を出血させずにほぼ痛みも伴わずに手軽に測定することができます。血糖値と間質液中のグルコース濃度は高い相関関係があることは証明されており、医療の現場でも用いられています。
フリースタイルリブレ2はAmazonでも購入することができます。

血糖スパイクを放っておくとどうなるか?

さまざまな「なんとなく不調」の症状の中で、血糖スパイクをケアすることで改善される症状があります。また、血糖スパイクを改善しないまま、健康食品の摂取やファスティングなどを行っても思ったような効果が得られなかったり、思わぬ不調を招く可能性もあります。

例えば、「食後の疲労感」は血糖スパイクによって起こる代表的な不調の一つですが、食後の疲労感を改善するためにカフェイン含有飲料を摂取するという生活を続けているとその場では元気が出るかもしれませんが、長期的に見るとより血糖スパイクの起こりやすい体になってしまう可能性もあります。また

また、ファスティングは正しい方法で行う場合、腸内がデトックスされ、胃へも負担も軽減するので適切な方法で行うならばとても効果的な健康法ですが、血糖スパイクが起こりやすい人の場合、一般的に良いとされる方法でファスティングを行った場合でも、過度な低血糖症状を招く可能性があり、危険を伴うことがあるので注意が必要です。

糖化ストレスとは?

「血糖スパイク」が起こると、血管への急激な糖質の流入によって血管内で「糖化ストレス」が発生し、心疾患や脳血管疾患の原因となると言われています。

糖化ストレスとは、糖質による体内タンパク質の糖化のことで、AGEs(糖化最終産物)を産生する反応を指しています。血中のLDLコレステロールが糖化すると、アテロームと呼ばれる血管内皮における脂質の堆積物の形成につながり、動脈硬化の原因となります。

心疾患とは心臓に関わる病気であり、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)・不整脈・心臓弁膜症・心不全などがあります。また、脳血管疾患とは、脳の血管に関わる病気であり、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血がありますが、いずれも動脈硬化が発症リスクとなります。

また、AGEsの蓄積は動脈硬化だけでなく、認知症、骨粗鬆所、皮膚の老化などさまざまなトラブルの原因とも言われています。それだけではなく、生命の根幹の臓器である副腎を疲労させる要因でもあります。

そんな恐い病気は縁遠いと思ったかもしれません。
しかしながら、そのような知識も大切ですが、なにより重要なのは、
今感じている「なんとなく不調」の原因が血糖スパイクにあるかもしれないという事実を発見することです。

血糖スパイクを発見するメリット

現在の日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳です。
日常生活に制限のある「健康ではない期間」を平均寿命と健康寿命との差で表しますが、2019年においてこの差は男性8.73年、女性12.06年となっています。血糖スパイクにより、心疾患や脳血管疾患などのリスクが上がってしまうということを踏まえると、この期間を縮めるためにできることの一つが、まさに「血糖スパイクをなくすこと」だとも言えます。

現在のなんとなく不調を解決することが、将来起こりうる病気の対策となります。

血糖スパイクの体感があるか確認してみよう

食後1~2時間後にこのような症状はないですか?
  • 眠くなる
  • 倦怠感が出る
  • 強い空腹感を感じる
  • 生あくびが出る
  • 動悸が震えが出る

ただし、血糖スパイクが発生していても、特に自覚症状がない場合もあるようです。

睡眠中~朝にかけて以下の症状はないですか?
  • 眠りが浅い
  • 悪夢を見る
  • 寝汗をかく
  • 朝起きると口がカラカラになっている
  • 朝起きた時に肩が凝っている
  • 朝の食欲がない

このような症状がある場合、血糖スパイクの影響を受けている可能性があります。フリースタイルリブレ2を使って自分のグルコース濃度を測定できる人は、24時間継続した血糖値を測定し、食後の血糖スパイク(140mg/dlを以上の濃度となる、60mg/dl以上の上昇を示すグルコース濃度の急上昇が目安)の有無を確認し、その前後でどのような体調変化があるのか確認してみましょう。また、夜間には低血糖が起こりやすいので、起床時の体調もポイントになります。

まとめ

西洋薬や漢方薬の治療や食薬をしていく上で、「血糖スパイク」は大前提となります。血糖スパイクを見つけるためには、食事の前後の体調変化と起床時の体調を確認しましょう。

不調を感じる場合は、実際にフリースタイルリブレ2を用いて間質液中グルコース濃度を測定することも体調管理の一環となると思います。

「血糖スパイク」を見つけることで、なんとなく不調を改善し、将来起こりうる病気も予防もできる可能性があるので、健康のために何か取り掛かろうとしている方に、まずやるべきものとしておすすめしたい方法です。

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